すっかり春らしくなりましたね。新潟は雪景色から色とりどりの花が咲き乱れる季節となりました。これからの季節は花や木々の緑が日ごとに様々な表情を見せてくれることでしょう。
さて、私たち「にいがた美醸」の蔵見学シーズンラストを飾っていただけたのは。「越乃寒梅」の醸造元である、新潟市江南区にある石本酒造さんです。宮尾登美子氏の小説で、映画にもなった「蔵」は、3代目である石本龍一氏からの聞き書きによるものだということでも知られておられますね。
ワタクシをはじめとし、熱望しているメンバーが多かった中、遂に実現することができました。関係の方々には本当に感謝いたします。新潟駅で集合したわたしたち。JR信越線の長岡行に乗ること10分くらい。2駅目の「亀田」で下車。石本酒造さんがある北山に向かいました。
気持ちの良いお天気だったので、蔵の入り口にある木々の緑が美しかったです。
石本社長をはじめとした蔵の皆様にお出迎え頂き、プログラムのスタートです。
現場をご案内いただく前に、DVD映像で石本酒造様の歩みやお「地元の人により喜んでもらえるお酒を」とのお考えから今日まで進化してこられたお酒造りについて理解いたしました。その後は実際の現場を見学させていただきました。
釜場、原料処理、製麹、仕込蔵、吟醸蔵、酒母室など。
戻ってからは6銘柄の試飲と、最後に質問タイムなどもお取りいただき、とても充実したひと時を過ごすことができました。
穏やかな香りとスッとした飲み口が楽しめました。
優しく穏やかな香りに癒され、うまみも広がる。
軽やかな飲み口が、また飲みたくなってしまう。別撰。
爽やかで飽きのこない味わい。とってもホッとする白ラベル。地元で愛され続けられる事が納得です。
寒梅の造りは普通酒でも吟醸造りが基本であること、使用米の等級は特等米(酒米の格付けの中で最も上位)であること、全行程のはじめや最後において人の判断が無いといけないようになっているので、人が多い蔵でもある、酒は生き物なのですべての感覚を動員して判断すること。
これまでもそうであったように、これからも多くの人に喜んでもらえるお酒を造るにはどうしたら良いかを追求し続けていく。一点の曇りもない真摯な姿勢と熱い想い、そしてお気遣いの数々に感動いたしました。
最高の原料を使い精米歩合も低く、人の手を多くかけ、どんな飲み方でも楽しめる越乃寒梅というお酒。しかしながら、それらを自ら世に広くアピールしない潔さには美しさを感じました。
オーケストラに例えると、杜氏はコンサートマスター、オーナーは卓越した指揮者(マエストロ)であるとのこと。一企業様としても、その組織の在り方からは学べる点が大きいと感じました。
石本酒造様、この度は大変お世話になりました。
心よりお礼申し上げます。