先月のことになりますが、カルチャースクールの日本酒講座受講者の皆さんと一緒に、長岡にある吉乃川さんにお邪魔してまいりました。
雪が降っていたので交通機関の乱れが心配されましたが、予定通り長岡駅で信越本線に乗り換え、隣駅である宮内で下車し、徒歩で吉乃川さんに向かいました。摂田屋という地域はもともと、醤油や味噌など醸造を生業とする業種が集まる地域で、付近に佇む風情のある建物は、どこかノスタルジックな雰囲気を感じさせます。
そんな中、吉乃川さんは、創業460年(!!)とっても古くからの伝統を持った酒造さんです。近年では、梅酒、ゆず酒をはじめ、生姜、ゆずと紅茶、カシスと紫蘇、トマトなど、、、日本酒ベースのリキュールが楽しく充実されていますよね。また、カクテルのための「基酒JUNMAI」(モトザケジュンマイ)など、本来の日本酒も勿論ですが、伝統を守りつつも、日本酒との新しい接点を創出し、変化し続けている姿からは目が離せません。
個人的に、今回で3回目の見学となり、どれだけ行くつもりなんだヨ、という感じですが、それぞれとっても楽しいです♪
===
敷地内にある瓢亭(ひさごてい)にお邪魔し、紹介映像を見させていただいたり、製造部長の高橋氏にお酒造りの工程についてご説明をいただきました。その後、引き続き高橋氏にご案内いただきながら、仕込みの現場を見学させていただきました。
さて、吉乃川さんのお酒造りにおいて
一、水(敷地内にある井戸からは「天下甘露泉」という、信濃川の伏流水と東山連峰の雪解け水が合わさった軟水を汲み上げており、この水が吉乃川さんの仕込みに使用されています)
二、米(新潟県産米(蔵人栽培米)のみを使用しています)
三、技(受け継がれた想いと伝統に裏打ちされた確かな技)
四、気候風土
というポイントをお聞かせいただきました。
また、中越式自動製麹機という機械が使用されていましたが、これは自動化するのが目的なのではなく、より良い労働環境を実現するために、昭和36年に自社開発されたものでした(麹づくりの作業というのは、泊まり込み24時間人手を要する作業)。勿論受け継がれた伝統の技や熱意といった「人」の部分が造りの中核となっているのは言うまでもありません。
見学をさせていただいた「眞浩蔵」は2007年から稼働している蔵でした。2004年に襲った新潟県中越地震で、以前の蔵は倒壊し、その後修復を繰り返しながら使用されていましたが、「上質なものを少量いただきたい」という世の中のニーズにも対応できる、未来を見据えた蔵にという思いから、新たに建設されたのが「眞浩蔵」だそうです。名前の由来は、「眞」=永遠、「浩」=さんずい部分が水、告はこんこんと湧き出す様子を表しているところからだそうです。永遠に水が湧き出るというイメージでしょうか。
見学中は、蒸しあがったお米やできあがった麹を見たり、触れたり、食べたり、あらゆる感覚をもって体験させていただくことができました。
さらに、見学後は瓢亭に戻り、けしからん種類の試飲をさせていただき、また、器を変えたり、温度をかえたり、カクテルにしたりと多様な楽しみ方を試させていただきまして、ワーキャー言いつつ、ほろ酔いの、いい気分になりました。
楽しい見学も終わり、後ろ髪をひかれながら私たちが向かったのは、長岡市殿町の「小嶋屋」さんです。お蕎麦を食べつつランチ酒をし、さらにいい気分になりつつ、新潟へ戻ったのでした。
まさに仕込みの最中というお忙しい中、大変気持ちよく対応をしていただき、感謝いたします。
お世話になりました皆様、ありがとうございました。
===
※過去の投稿もご参照くださいませ。
http://ameblo.jp/love-ricewine/entry-10429185043.html
http://ameblo.jp/love-ricewine/entry-10424010195.html
http://ameblo.jp/love-ricewine/entry-10416063782.html
SECRET: 0
PASS:
ぼくにとって「酒」とは日本酒のこと。日本酒の多様な楽しみ方があることに異論はありません。ただ僕としてはもっと日本酒それ自身の多様な味わいを求めていきたい。「新潟の大人酒ごはん」素敵な記事ですね。「基酒JUNMAI」(モトザケジュンマイ)で多様な日本酒の楽しみ方もあっていい。ぜひ新しい楽しみ方を作り出してください。「酒」に関しては保守的な僕にも楽しめるものを待っています。
SECRET: 0
PASS:
>jamasanさん
わたくしも、基本コメントをいただいた路線でまいりたいと思いますが、色々な試みは、なかなか楽しいものです。「基酒~」も、とても美味しくて満足いたしました。