アップがノビノビになっていましたが、秋田の旅最終章?齋彌酒造さん後編です。
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■麹室
秋田杉が張られた室は、ほんのり甘くて栗のような上品な香が漂っています。オールステンもありだろうし、それらを消毒して清潔に保つということもあるが、「自然に任せる」ということを大事にしているこちらの蔵では、消毒すると良い菌まで殺すことになるという考え方から、そういった薬品を使わずにいつも濡れたタオルで隅々まで掃除をしているとのこと。これは昔からそうされているとのことで、日本で初めてオーガニック認定を受けたのだそう。
別にそうしようと思っていたのではなくて、元々普通だと思ってやってきたことが、たまたまそうなったとのこと。
木の間には細かな糸クズが引っかかっていました(笑)ちゃんと説明通り、綺麗に掃除されていることが伺えます。
また、木であると湿度が高ければ木が吸ってくれるし、乾けば木が水分を出してくれるのだそうです。機械だとタイムラグが発生してしまうからと。
麹は1日目は床で、2日目は棚とよばれる製麹機械を使っていますがどうして機械なのかは夜間人手がかけられない時間帯のことを考えてのことだそう。泊まり込みで人が見ればいいのかもしれませんが、労働環境を過酷なものとしないため、疲れさせないため、それが酒の造りにも影響するのではないかとのことから、この部分だけは機械で管理しているのだそうです。
釜場で麹菌を掛けるのについては、こちらの麹室は全部木でできており、薬品を一切使わずに掃除をすることなどから、菌が木の目の細かなところまで入ったら、綺麗に拭いたとしても掃除しきれず、麹菌とはいえカビなので、ちゃんと清掃が行き届く場所でやろうということのようです。
蔵の中が、良い菌で満たされていて、働く人も含んで、生き物たちの調和が取れているのだなということが伝わってきました。何一つとして違和感が無く、「根拠のある」お話に、大満足でした。
■上槽
おなじみ「ヤブタ」が並びます(写真がなくてすみません)。
残念ながら私は運転があるので、試飲はできませんでしたが、同行メンバーが試飲をしてくれました。
「搾りたてなのに、優しい!ピリピリしない!」と驚いていました。しぼりたてでも丸いんだそうです。
いいなぁ~。と、指をくわえながら見るだけでした。
精米は自社で持っているということも、失礼ながら驚きでした。これまで伺った蔵では、大規模なところでは精米所を完備していたものの、中小規模であると共同で精米所を持っているということが多かったためです。
特色のある考え方を貫かれているのですが、万人に良いと思われなくても、受け入れてくれる人に辿り着けたらいいというお考えからでした。そうですよね。納得。
最後に試飲・・・も出来ませんでしたが、自宅で楽しむべくお土産を買って帰ってきました。
本当に大満足の秋田のたびでした。お世話になった皆様、本当に本当に、有難うございました。まだいぐべーー。