本日、知人の紹介で「鶴齢」の醸造元である塩沢の青木酒造さんにお邪魔してきました。
塩沢駅至近で、目の前が旧三国街道といことで、昔は大名が参勤交代の際に通り、こちらの綺麗なお庭えお観ていかれたそうです。
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さて、早速酒造見学をさせていただきました。白い長靴に履き替えます。
まずは、仕込み水を飲ませてもらいました。酒の約80%は水ですから、水質が酒質に及ぼす影響は大なわけです。新潟の水の殆どは軟水(超軟水)ですが、こちらの水は「硬め(中程度)の軟水」とのことです。3本の井戸を持ち、80mの深さから汲み上げた水は、年間通して12度~13度の水温とのことです。
そして米。一昨年から越淡麗(山田錦と五百万石をかけあわせた酒米)を作っているとのことです。吟醸以上の酒の洗米は手作業とのことですが、冬は水温を外気温と同じ温度まで下げるのだそうです。それだけでも過酷な作業であることは想像がつきますが、米が砕けてしまわないように丁寧に、しかも素早く作業を行わねばならないのだとのこと。うーん、作り手の技ですね。
洗米された米は翌日に蒸されることになるのですが、米の蒸し具合によっても酒の味が変わってくるのだそう。ちなみに鶴齢はやわらかめとのこと。ということは蒸すのに少し多めに時間が掛かるということですね。
続けて麹室、酒母室などの施設を見学しつつ酒造工程に関する説明を受けました。
最後に梅酒の貯蔵タンクがある部屋を見せていただきました。梅のいい香りがほんのり漂っています。さて、清酒で梅酒を仕込んだのは県内で青木酒造さんが初だったのだそうです。知りませんでした。勉強不足ですみません。
そしてお待ちかねの試飲タイムです。綺麗なお庭を眺めながら頂いたのは「鶴齢」特別純米 無濾過生原酒の3年熟成です。グラスに注いで頂いたお酒はうっすらと黄味がかっていて、香りはナッツ系の熟成した酒特有のものを感じました。そして味わい、酸を強く感じるしっかりとした酒質です。しかしながらベトベトした感じは全く無く、キレは大変良かったです。きっと肉料理との相性が抜群でしょう。
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今回の蔵見学では、青木酒造さんのお話は勿論ですが、地元の食文化のこと、新潟のお酒に関することなどなど、楽しいお話を沢山聞かせて頂くことができました。どんな地域に行ってもそこのお酒というのはその土地の食文化と密接に結びついているものだと実感しますが、やはり今回のお話からもそれを強く実感することが出来ました。今回、有意義な時間を過ごすことが出来ただけでも幸せだったのに、試飲で頂いたお酒の飲みさしを頂き、更に「鶴齢」の無濾過生原酒720mlをお土産に頂くというとんでもなく幸せな施しをしていただき、帰りのクルマの中で「今日まで生きてきて良かった・・・」と、独り言を言いながら塩沢を後にしました。今回は青木酒造さんおよび知人に心から感謝しつつ、これから晩酌です♪
青木酒造さん、またお酒の仕込みの季節になったら遊びに行かせてください。宜しくお願いいたします。